2009年3月31日火曜日

今日の追記

うっかり食事会でペットボトル入り緑茶を大量に飲んでしまったので、
目がさえてなおかつ胃がちょっと痛いです。(苦笑)
回転寿司などでもうっかり緑茶を飲み過ぎてこのような症状が出ることあります。
もし次にこんな機会があったらば自分で動いてでもカフェインレス&シュガーレスドリンクを確保しようと心に決めました。(笑) 

Prof. Scheckmanは大変知的な雰囲気があり鋭敏な頭脳の持ち主だなぁというのが一緒にいるとびしびしと伝わってくるのですが、それでいてなおかつ柔らかい語り口というのがとてもとても印象深かったです。
一人ずつ1分の持ち時間で英語で自己紹介をしたのですが、必ずと言っていいほど質問を投げかけていました。そしてその後の会話でわかるのですが、それらをあとの方でもよく覚えていらっしゃるのです。

セミナーについて追記。
○詰め込み過ぎるな、ということに関して
→スライドの中には自分が話そうと思っている要素だけ入れる。
→2分でスライド1枚くらい、のペースを自分は守っている。私はちょっと詰め込みすぎだなぁと反省。
○聴衆の方を見て話せ、ということに関して
→誰でも慣れないうちは緊張するけれど、そのうち慣れてくると、一人一人の顔を見つつfriendlyな気持ちで話しかけるようにしゃべることができるようになる。これは頑張ればできそう。
○話す内容を全部記憶しているのか?という質問に対して
→(あんなによどみなくしゃべっているにもかかわらず)記憶してはいないよ、とのこと。ただ、何度も話す機会があり、自分のtalkも少しずつ進化させていくので、もう慣れた、とのこと。うーん、さすが。その境地に達することができる人はそうそういないのではないかしらん。まぁでもとりあえずトライトライトライですね。心がけてみます。
○良いトレーニングになるのは
→大学生(undergrad)への講義をするのはとても良いトレーニングになる。彼らはいくら自分がworld famousでも気にしない。クリアーに話をしないとどんどんついてこなくなる。
→最近はweb cast(web上での講義)もやっている。これもなかなか良いトレーニングになる。

で、この会話の流れで、
「ちえこままさんのだんなさん、web castに出てますよ」
とのこと。えー、知りませんでした。
帰宅してから夫に確認したところ、彼は認識していたとのこと。
ただ、彼もどうやったら見られるのかわからないらしい。
そのうち誰かに教えてもらわないと。

2009年3月30日月曜日

セミナーメモ Prof. Randy Scheckman

今日は東大でProf. Randy Scheckmanのセミナーを聞きました。
membrane traffic の分野では大御所中の大御所です。
私は今日はじめてお目にかかりました。

http://mcb.berkeley.edu/labs/schekman/

まずはセミナーの感想。
1時間の間にメインのトピック2つに絞り、とても丁寧になおかつ流れるような展開でお話されました。
驚くべきことは、言いよどむことがまずなく、まるでシナリオを読んでいるよう。
しかしながら、スライドはほとんど見ないで聴衆の方を見ているのです。
まるで私たちの後ろに別のスクリーンがあってそれを見ているのでは、と思ってしまうほど。
(↑もちろんそんなものはありません)
まるで俳優のようです。

もともと出芽酵母の変異体を多数単離して遺伝子をクローニングした、という一連の仕事がいくつもの華麗な金字塔的業績となっているのですが、最近はそれらの因子が関与するヒトの遺伝疾患などに興味が徐々にシフトしているらしく、非常に素晴らしい展開だなぁと思いました。それでも酵母をやるメリットはたくさんあるということで、今でもラボの半分くらいのメンバーが酵母を使って仕事をされているそうです。

その後、セミナー室でワインとお酒とケータリングの食事会となりました。

いくつか質問をしました。
「座右の銘は?」
「どうしたらあんなに流暢なセミナーができるのか?」
などなど。

座右の銘については、
正確なフレーズは覚えていないのですが、
「単純な事を繰り返しやってばかりいると頭が悪くなる」
というような感じ。

セミナーについては、
○内容を詰め込み過ぎないこと、
→聴衆がついていけるだけの量というのは限られている。あまりに詰め込むとlostする。
○とにかく聴衆を見て話すこと、
→自分の話に聴衆がついてきているかどうかわかる。もっと言うと、学部生などの講義などでは、寝そうになったりケータイで遊んでたりしてないかというのを監視できる。

コドモが私の背後でイライラしていて限界なので今日はここまでです。(笑)

2009年3月29日日曜日

ドラえもん のび太の宇宙開拓史

今日は部屋を片付けてから、板橋にドラえもんを見に行きました。
ドラえもんの映画シリーズはDVDを借りているのでだいたいの傾向がわかるのですが、
いくつかのテーマを数年ごとにリメイクしている?模様?
宇宙なにがしや海底ほにょろろや恐竜なんとかや。

確か私も宇宙開拓史や恐竜を子供のころに見たことがあるような気がします。
そして「ロップルくん」が好きになってしまったようなおぼろげな記憶も。
今回のストーリーがその時と一緒かどうかはよく覚えていないのですが。
おもしろかったです。

コドモは、序盤はかなり余裕をこいていて、
「いやー、楽しいなー♪」
と嬉しい感想が口からもれていたのですが、
徐々に、
「ママのおひざにのるー」
「ボクもういやになってきたー」
「こわいー」
に変化。

一応最後まで見られました。
ポニョは平気でしたが、ドラえもん(の特にこのテーマ)はまだちょっと怖いらしい。
それから、宇宙ものに対する映画「スターウォーズ」の影響の強さってもしかして甚大?という感想を持ちました。多くの場面で、「あ、こういうシーン、スターウォーズっぽい」と感じるところがありました。

帰りに、成増の道頓堀でラーメンを食べました。
いつも並んでいるので(夫は大の行列嫌い)あきらめていたのですが、今日は入れてラッキー♪
そしておいしかった。大満足。

次はヤッターマンかな。
その後成増でラーメン、というのが日曜の定番になるか?

追記:
「いくつかのテーマを数年ごとにリメイクしている?模様?
宇宙なにがしや海底ほにょろろや恐竜なんとかや。」
というのは半分私の誤解でした。
単に借りに行くDVDレンタルのお店に置いていあるタイトルが限られていたこと、恐竜と宇宙開拓史は確かにリメイク系であること、ということが混同したようです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%88%E3%82%82%E3%82%93%E6%98%A0%E7%94%BB%E4%BD%9C%E5%93%81
しかし。
ロップル君を好きになった私。
上の記事をよく読んでみると、まもなく11歳という年ごろではないですか。
うーん、幼いなぁ。あはははは。

2009年3月24日火曜日

帰宅しました

名古屋の学会から、無事帰宅しました。

ちょっと今回はポカが多かったので、まずは反省を覚書。

●発表内容をなるべく英語にしましょう、という動きをもっと事前に察知しよう!
(前々日に気づいて前日の夜中2時までかかって直したことを受けて)
●ホテルのルームキーをさしたまま忘れるなんてことがないようにしよう!
(翌朝鍵がない!とあわてて探し、どうしても見つからず、フロントに電話したら発見されていた、ということを受けて)
●ランチを食べたイタリアンレストランにお財布を忘れるなんてことがないようにしよう!
(ランチ終了後、タクシーに乗って帰ろうとしたところ、財布がないことに気づき、お店に引き返してもらったことを受けて)
●新幹線、平日の夕方、名古屋発、ならば指定を取ろう!
(自由席のチケットを買い、新大阪始発のに乗れば座れるだろうとたかをくくっていたら、一本前に乗れてしまい、結局座れなかったことを受けて)

あああ、どれもヒヤリ・ハットですね。。。大事件にならなくてよかったですが。。。

うれしかったこと。

○ブログ見てます、と声をかけられたこと2件。
○これまでは、同窓で飲む機会が多かったけれど、今回は全く新たなコミュニティで飲んだりランチをしたりを3回。これまでになく知り合いが増えた学会でした。
○先日淡路島で行われた液胞ミーティングでの質問が良かった、と同年代の方にほめられたこと。
○学会終了後、Nさんの紹介でS先生にお会いできたこと。

持ち物などなど。

○荷物はあらかじめ発送。
○衣類が少し足りなかったけれど現地で手洗い洗濯とホテルのランドリーで対応。
○アイロンを借りておくと手洗い洗濯に便利。
○ベビーカー、迷ったけれど持って行って良かったかな。

今日は早めに寝ます~。

2009年3月21日土曜日

準備やっと終わった

植物生理学会で名古屋に来ています。
今回も、前日にはプレゼンの準備がだいたい終わって、あとは練習するだけ、だったのですが。
(高圧急速凍結は結局あきらめました。一つの変異体のサンプルが、包埋中に失われてしまったので。。。あきらめきれずに昨日、野生型のサンプルの像だけでも出そうかなと思って染色して電顕を起動したところ、異常停止。未解決のまま学会に突入。。。)

昨日帰り際になって,以下の文言を発見。

日本植物生理学会将来構想WGより、年会の国際化を促すため口頭発表・ポスター発表とも、図表はなるべく英語で作るよう提言が出されております。名古屋年会で発表される皆様は、この提言に則って図表を作成してくださるようお願いいたします。

あああああ。なぜ今まで気づかなかったのだ〜。

というわけで、コドモが寝てからしこしこと英語に直しました。今終了。ほっ。

練習しなくちゃなぁ。でもあまりに睡眠不足でもいけないだろうし。
とりあえず今からちょっと寝ます。



2009年3月20日金曜日

花粉管誘引物質の同定

名古屋大の東山研の論文、ついに出ました!
Natureの表紙!素晴らしい~!!!

昨日は学会の準備をしていたら、Google readerのNature今週分が配信され、
そうだそうだ今日だった、と思いだし、オンラインのニュースをチェックしたらすでに
朝日毎日に出ているのを見て感動しました。

昨年の植物学会での発表を聞きましたが、その段階から
「これはすごい仕事だ」
と思っていました。
でも、わずか半年のうちにNatureでしかも表紙、というところまでこぎつけたそのスピードには瞠目させられます。

実は東山さんとは大変長い付き合いです。
奥さんは大学院時代の先輩で、私ととーても仲良くして下さってます。
というかなれそめとか全部知ってます。
(↑あんまり言うといけないいけない、自重します)
子供どうしも仲良し。

今日から名古屋で学会ですが、夕ごはんを一緒に食べる予定。
荷づくりもできたしそろそろ出掛けようー。
お祝いだお祝いだ。

2009年3月12日木曜日

クマムシ?!

「クマムシ?!小さな怪物」
を読みました。

クマムシ、10年以上前から気になっていました。
大学院生の頃、博学の友人が、すんごい生物がいる、と教えてくれたのです。
一度見てみたいなぁと思っていたのですが、この本を読んだら疑似体験できました。

クマムシというのは。
系統的には非常に特殊な位置にあります。
緩歩動物門という門に属し、その門にはクマムシ類だけが含まれます。
これがどれだけ変わった事かということが、本書では大変わかりやすく説明されていました。
たとえば私たちヒトは脊索動物門、に属します。
その脊索動物門には、哺乳類、鳥類、魚類、爬虫類、両生類、などの脊椎動物だけでなく、ナメクジウオ、ホヤなどなどまでが属するわけです。
クマムシ類だけで単独の門を構成するなんて、どんだけユニークなやつなんだ?

4対の脚を持ち、ネコバスみたいな恰好。
のこのこ、とクマのように歩くのだそうです。
もともとの名前はドイツ語で「小さな水熊(Kleiner Wasserbar, aはウムラウトつき)」だったそうです。
走査電子顕微鏡写真。うーん、かわいい。

で、このクマムシのすごいところ。

乾くと樽型に変身し、
樽型の状態では真空や放射線にも耐え、レンジでチンしても平気!なのだそうです。

最初にクマムシの話を聞いたときも、「宇宙空間も飛べるんじゃないのー?」とか言って盛り上がりました。

今回ひょんなことからこの本をネットで見つけ、読んでみようかなと。

2章の「オニクマムシの生活史」では、著者の鈴木さんがクマムシを苦労して飼う話が出ています。
あああ、いいなぁ。クマムシ、見るだけでいいから見てみたい。
餌を確保するのが大変だったそうです。いいなぁ、わくわくします。

適当にそのへんに生えている苔を拾ってきて、シャーレに水とともに入れて、一晩くらい置くと、のこのこ出てくるそうです。

あああ。見てみたい。かわいいクマムシ~。
でも学会前だからやっちゃだめ~。

一般公開の前にでもやってみようかな。

高圧急速凍結再び

すみません、このところ、あまりにマニアックですね。
でも今日も電顕の話題です。

このところ頑張っていた高速急速凍結。
なかなか上手くいかずへこんでいたのですが。
久し振りに、「ああこれこれ!こういう像!」というのが見えました。

というのは今日、別のテストサンプルを見てみたところ、結構きれいな像が出ていることが判明。
ということは、ごく基本的な手順については大丈夫かも。
ということは、あきらめないで今日重合に持っていったサンプル、頑張れば学会に間に合っちゃうかも。。。あああ、メチャメチャギリギリですなぁ。学会前っぽいですなぁ。

ちなみに
先日ダメダメだったテストサンプルは1mmくらいの本葉。
今日見たのは、ついでに試してみた出芽酵母。
ダメダメだったサンプルと同じ行程で試料を調製したので、あまり期待はしていなかったんですが。

オルガネラの曲率がどれもスムーズ、つるんとした、というか、生き生きとした、というか。
ああなんて美しいんでしょう。ぞくぞくします。

これが、私が見たい(発芽1.5日目のシロイヌナズナ)サンプルでも見えてくれればいいんですが!!!

2009年3月8日日曜日

photosynthesis/bio songs

先日ASPBのホームページにChlroFilmというビデオコンテストを見つけました。
この試みも大変興味深く結果が楽しみなのですが、そういう気になってYouTubeを探してみると、びっくりするほどたくさんのコンテンツがあることがわかりました。
へええええ。作ってるのは高校生から大学生なんですかね。
ちゃんと韻を踏んでいたりして、なかなかおもしろいです。

photosynthesisやchloroplastという単語で検索すると出てきます。
そのほかにもDNA replicationとか。

私が気に入った動画をとりあえず2つ紹介します。

http://www.youtube.com/watch?v=I2-KbYH9sw4
作者のプロフィールの詳細をクリックすると、下のほうで歌詞も見られます。
You can't mistake plant biology!

http://www.youtube.com/watch?v=d1UPf7lXeO8&feature=related
ラップです。

高圧急速凍結が

今日もマニアックな話ですみません。

高圧急速凍結がうまくいきません。
昨日テストサンプルを切ってみたのですが、これまたじぇんじぇんダメダメな感じ。
んー。今回は凍結置換に持って行くところとか温度上昇などにも気を使ったんだけどなぁ。
もし、凍結置換までのステップでしてはいけない何か(あるいはしなければいけない何か)をミスっているとすれば、今-80℃にある本番サンプルも同じ運命になるのかなぁと思うと、

OTZ

な気分です。(orzよりも大きい)

昨日はそれが判明して頭を抱えたのですが、保険に埋めていた化学固定のサンプルは、とても良い状態(ただし、化学固定にしては、という限定つき)であることが判明して少しほっ。

とりあえず、化学固定サンプルを切りながら、高圧急速凍結のサンプルの方も一応樹脂に埋めるところまでやろうと思っています。

樹脂は非常に良い状態で重合してます。
前のエントリにも書きましたが、周到に面出しすれば、いくらでも連続切片が取れる感じ。
そして電顕も点検が終わったばかりなので絶好調。

でも、固定がダメだと意味がない

OTZ

ポジティブにとらえると、化学固定という保険をかけていてあああああ良かった、ということなんですが。
まだ一個しかサンプルを切っていないので、他のブロックも切ってみて様子をみてもいいのかもしれないですが。

ああ一日も早く、高圧急速凍結の美しい像が見たい!のです。
オルガネラの膜がつるーんときれーいな曲面で。見るからに生き生きとした感じの。

2009年3月6日金曜日

スポーツ大陸 五十嵐圭選手

今、NHKのスポーツ大陸を見ています。
今日は、バスケットボールの五十嵐圭選手。
2006年の世界バスケでちらっと見て、衝撃を受けたのを思い出しました。

結構長くバスケをやっていたので、
久し振りにバスケの映像を見て、ぞくぞくしています。

久々にボールに触りたくなりました。
フリースロー練習からでもはじめてみようかな。

越後湯沢!

以前、「越後湯沢好き好き」もとい、「越後湯沢追記」のエントリを書きましたが、
今日のデイリーポータルZに越後湯沢の日本酒の利き酒コーナーが出ていました。
ほそいあやさんが写真満載でレポートしてくれています!!!
日本酒好きな方、このめくるめく日本酒ワールドを是非感じてみてください。
日本酒好きでなくてもそれなりに楽しめます。

「建物」セミナー

ええと。タイトルの「建物」の部分は、私がいる建物の名前「○○棟」が入ります。
3年前に、Mさんという研究員の方が生物系の研究室に声をかけて、はじめたものです。
ひと月に一回、研究室持ち回りで発表するというもの。現在12研究室くらいが参加していて、だいたい一年ちょっとで回転するようになっています。

世話人のMさんがこの春転出されることになり、後任を頼まれました。
えええ。私でつとまるのかな。。。
(実は私はうっかり忘れることが多くて、今まであまり出席率が良くなかったので。。。)

まぁ、これを機会にちゃんと出席するようにします!

追記
あ、そうだ。もし世話人の立候補者がいたら、その方にやってもらうことにします、とMさんはおっしゃってました。まぁもしそうなっても、これを機会にちゃんと出席するようにしようっと。

金色の連続切片

前の前のエントリにも書きましたが、電顕な春、です。

今日は重合が完了したサンプルを切ってみました。
金色の切片が大変きれいに取れました。
1個目のサンプルは、トリミングと面出しが非常に良い仕上がりだったので、もんのすごい連続切片が切れてました。ダイヤモンドナイフのボートの端から端まで一直線!

明日染色して観察してみます。
わくわくします。高圧急速凍結の試しサンプルもあります。
上手くいってるかな。。。ドキドキです。

2009年3月4日水曜日

遠視矯正の道のり

こちらのブログにはあまりちゃんと書いたことがなかったかもしれませんが、コドモ(4才)は遠視の矯正をしています。今日は自分なりに気持ちの整理がついたので、これまでの経過を書いてみようと思います。

遠視が見つかったのは2007年の終わり。
新しい保育園に移って、春夏秋と過ごし生活にもすっかり慣れたころ。
コドモは2才の後半でした。
きっかけは、保育園の先生の指摘でした。
「○○君、絵本を見るとき、顔がいつも同じ方向に傾いています、眼科を受診された方がいいと思います」
びっくりしました。でも、言われてみると、テレビを見るときにはいつもかぶりつくようにすぐ近くで見ているし、絵本も言われてみると顔がいつも傾いています。右側がいつも前に出ているのです。走るとよく転びます。

近くに大きな病院があるので、そこの眼科を受診しました。

まずは視力の検査。
まだ言葉がうまく言えないので、特殊な視力検査ツールを使いました。
影絵でカラスや犬や車が描いてあるもの。いろいろな大きさのものがあります。
一定の距離を置いて「ブーブー」とか「ワンワン」とかで教えてもらいます。
もうひとつは、クマさんの眼の位置を指でさすもの。クマさんの輪郭、その中に眼が二つ、ドットで描いてあります。カードによって、眼のついている位置が違います。それで、「クマさんのおめめ、どこかな~」と指で指させます。そしてだんだん眼のドットの大きさが小さくなります。

このときはじめて、「わ、結構見えてないんだ。」ということを知り愕然としました。
特に右が悪いようです。

そのあと、大人も眼鏡屋さんとかでやるテスト(屈折率を測るんでしょうか)。
気球の絵を見るやつです。

再び待合室で待って、診察室に呼ばれます。

ここで若い女性の先生に説明を受けたのですが、先天性の遠視、とのこと。
右側は相当悪いとのこと。かなりショックでした。
「治るんでしょうか」と聞いてみたところ「それははっきり言えないんです」とのこと。
えええ!ますますショック。

次の受診の時には、眼鏡を作るために、正確な視力を取らなくてはならないとのことで、眼の調節機能を低下させるような点眼薬を差しました。確か、効くまでに結構時間がかかるので、あらかじめ点眼薬を渡されて、受診前にも差してくるように指示されました。

で、結果は。
「相当重いねー。。。」
またまたショック。
眼鏡の度を合わせる段階で、ぎょっとするほど度が強いことがわかりました。

眼鏡の処方箋を書いてもらって、早速作りに行きました。
遠視なので、目が大きく見えます。度の強い右の方は、さらに大きく見えます。
最初は心が痛みました。でも、私がまずは慣れないといけないと思い、同じ店舗内でプリクラを撮りました。クリスマスバージョンでした。本人も全然慣れてなくて、ものすっごくとろーんとした顔で写っています。

最初は眼鏡をかけるのをかなり嫌がりました。
でも、コドモの適応力はすごいもので、ものの数日で慣れました。

それから、一か月に一度受診しました。
眼鏡には慣れてきたのですが、なかなか視力測定がうまく行かない。
ランドルト環の模型をハンドルのように持たされて、同じようにしてね、というのですが。
すぐ飽きるし、一度は頭にかぶります。おいおい。。。

視力測定ができないと、眼鏡の効果が出ているのかどうかもわからない。
数時間つぶれて何のプログレスもないと、へこみます。しかもそれは1か月何のプログレスもない、という気分にさせられます。

なかなか視力の発達が確認できないこともあってか、アイパッチ治療も行うことになりました。
起きている時間の半分くらいを目指してくださいね、とのこと。えええ。そんなに!?
最初は、自作を勧められました。黒い折り紙を4つくらい重ねて折り、アイホールと同じくらいの大きさに切りぬきます。それを、低刺激性のテープで張るというもの。
もしくは、医療用のアイパッチを薬局で買ってください、と言われました。

自作も試みましたが、病院で勧められたメンディングテープを薬局で見つけられず、せっかく作ったものを次から次へとはがされるので手間も大変で、結局大きなばんそうこうのような肌色のアイパッチを使うことにしました。

眼鏡にはさくっと慣れたものの、アイパッチにはものすごい抵抗しました。
何せ、良い方の目を覆うので、見えないのが不快なのでしょう。
粘着テープが強すぎるのも嫌なよう。

一か月に一回、受診します。その時のやりとりは以下のようなものです。
「アイパッチ、できてますか」、「いえ、嫌がってなかなかさせてくれません。」
「視力も上がっていない、ちゃんと頑張ってくださいね、こればっかりはお母さんの頑張りが一番大事なんだから。」

・・・プレッシャー。

最初の先生が、
「眼鏡の度もこれでいいかちょっと確認したほうがいいかもしれないし、一度ベテランの先生に診てもらうことにしましょうか」と提案してくださったのがきっかけで、ちょっと年配の先生になりました。

先生が変わりましたが、結局視力検査が上手くできず、アイパッチもあまりちゃんとできていないことを指導され、「お母さんの頑張りが」、と言われるのは相変わらずです。

さすがの私もちょっとぐぐっと来ました。

それまで腰が引けて保育園にお願いできなかったのですが、担任の先生に率直に相談してみました。
大変有難いことに、保育園で過ごす時間内の一部で、貼らせてもらえることになりました。

次の受診には、夫にお願いして、同行してもらいました。

その時には、「こればお母さんの頑張りが・・・、あと、お父さんもね。」
とおっしゃってくれました。心の中で、先生有難うございます、と言いました。
この先生を信じよう、と思いました。

こうしてひと月か二ヶ月に一回の受診を繰り返していました。
6月に入って、仲良しのNさんから荷物が。中にはアイパッチが入っていました!
紙製のテープで、かわいい絵が描いてあるもの。

このアイパッチにしたら、コドモは結構貼らせてくれるようになり、
保育園で日中それなりの時間頑張れるようになりました。
コドモいわく、このテープだといたくない、のだそうで。

あと、ちょうとトイレトレーニングな頃とも重なり、苦労したのは受診中のおもらし。
10時半くらいに保育園から連れ出すので、彼はオムツではなくパンツです。
そしてそれをうっかり忘れて、気づいたときには「おもらし~」ということが何度も。
一時期は、この病院に来るとうんちが出る、というのが2,3回続きました。
コドモも緊張していたのでしょうか。。。
着替えとオムツをひと組~二組持っていかないと大変なことになる場合がある、ということを知りました。
彼の着替えだけでなく、自分の着替えも必要な場合もある!なんてことまで学びました。
(受診しているときは私の膝の上。それでおしっこされるとアラ大変~!!!)

そんなこんななてんてこまいを続けていましたが、状況が変わってきたのは2008年の後半。
視力検査のモチベーションを上げるため、やむなし、ということで、オモチャ作戦。
「おめめのお医者さんに、ちゃんと頑張れたね!て言われたらオモチャを買ってあげる」
これを何度か続けていたら、みるみるやる気が。。。
アイパッチは、オモチャ作戦に加え、
「してくれたらビーナやっていいよ」
「してくれたらDVD見ていいよ」
「してくれたら肩車をしてあげよう」
などが効きました。
一番効いたのが肩車。やはり私の努力が一番効果があるのか?

秋以降は上がり調子。
精密眼底検査をして、固視もだんだんできるようになっていることが確認され、
(固視:見ているときに、黄斑のあたりに像を結んで、そこからふらふら動かないこと?)
視力も絶好調。眼鏡をかけた状態だけど、細かい文字も結構読めていて、私の方が見えないよ。
・・・それってもしかして、とうとう老眼なの!?
まぁでもコドモの視力が向上してるんであれば、よしよし。

今日は実は眼科受診に行ってきたのでした。
今回はまた夫に同行してもらいました。
視力、(眼鏡をかけた状態でですが)0.8くらいまで見えるようになりました!おおお!すごい!
先生に「こりゃ上出来だ!」と言われました。
「いくつから通ってたんだっけ?1年ちょっとだね、それでこれだけ良くなったか、上出来、上出来!」

今まで、こんなにほめられたことなーい!!!
(夫、そんな回にあたってラッキーだね。。。)
アイパッチも、一日3時間やれば十分ということで、保育園でやらなくても済むようになりました。
これまですごく保育園に負担をかけていたので、少し気が楽になりました。

というわけで、まとめですが、

○お子さんが、ものを凝視するときにいつも一方向に傾いていたら、眼科を受診しましょう。
○その他にも、よく転ぶ、テレビにかぶりつくようにして見る、なども注意が必要かもしれません。
○受診と治療は根気良く。
○お子さんのモチベーションを上手く高める複数の方策を。肩車など体を使ったご褒美が一番効果的なこともあります。複数の方策を取るのは、メリハリをつけるのと、ひとつの策に飽きられたときのため、です。

これからもがんばります♪
これまで支えてくれた保育園の先生、夫、コドモ本人、そして神様に深く深く感謝します。

2009年3月3日火曜日

電顕な春

2月半ばころから、がっつり「電顕仕事」に取り組んでいます。
今週からは、一層すごいことになっています。

高圧急速凍結を何としてもものにしたいということで、何度か動かしていました。
初回は去年の11月。SさんとTさんが横浜からサポートしに来てくださいました。有難かったです。
でも、切片を切ってみたらじぇんじぇんダメダメな像。10日とか一か月とかあとに判明するので痛いです。
SさんやTさん、Yさんにアドバイスをもらい、原因を考えました。
装置のメンテ不良という可能性も考えて、専門の業者さんに来てもらって一度装置の点検をお願いしました。で、万全な状況になったという確認ができたあとで、二回ほど一人で動かしてみました。
装置の動かし方はだいたい大丈夫そう。あとは急速凍結固定の基本をきちんとおさえていれば、だいたいものになるかな、という手ごたえです。

でも、このサンプルがこけると今月後半の学会がまずいことになります。
要旨に思い切り「微細構造観察」て書いてしまいましたから。おーい!
とういうわけで、昨日は初めて、
同じ日に化学固定と高圧急速凍結を決行
しました。9時から5時まで、みっちりやればできることがわかりました。
(化学固定は保険、ということです。)

今日は化学固定のサンプルを樹脂置換まで持って行き、今週中に重合して切り出して、
来週は高圧急速凍結のサンプルを樹脂置換→重合→切り出しです。
そして、今育てている植物の花茎が伸びてきたら再び化学固定をします。こちらは共同研究。

そんなこんなで、電顕祭り状態な春です。

電顕の切片は、観察にギリギリ耐えられるのが100nm程度。
これだときれいな金色をしています。
これより厚くなると、ちょっとマゼンタがかった色や青色が出てきて、厚いので暗いし観察しているそばから燃えちゃいます(80kVくらいだと)。金色よりも薄いのが銀色、それよりも薄くなると灰色になります。

切りますよ~、金銀の切片を!
(灰色の方がより良いのですが。あはは。)