2012年7月8日日曜日

着任にまつわる冒険の日々(主に子連れ通勤)

6月末日をもって,これまで勤務していた研究所を退職し,7月1日付けで,大学に着任しました.

それに伴い,新しい勤務地に近いところに保育園を見つけたいということで.
6月に,下の子が入れる認可保育園の枠があることに気付き(というか教えてもらい),それに応募するため転居を決断しました.
ただし,上の子の小学校の終業式までは通わせたいので,現在の居住地には7月末まで住むことに.
下の子の認可保育園は,ダメもとで出してみたのですが,大変幸運なことに入所が許可されました.

というわけで,今週は,2歳児を連れて和光市〜本郷三丁目の通勤を5日しました.
感想を端的に言うと.
「毎日冒険気分だぜ〜」
内訳は,電車3日,自家用車2日.

以下具体的な事例
電車編:
①電車の揺れで娘が転ぶこと多数(>2回/日).
②ちょっとした人ごみで娘が後ろにいないなと気づいたら,5mほど後方にいて,私を見失って転び泣き叫ぶ5秒前の様相(そして私が駆け寄り抱き上げると号泣).
③電車内で機嫌を取るためにお菓子を与え過ぎ.
自家用車編:
①国道254ほぼ一本道のはずなのに,車線の選択を誤り池袋駅方面にに降りてしまったり.
②自家用車で通勤するってのは(期間限定とは言え)CO2を排出しすぎなんじゃないかと,職業的ミッションとの板挟み.
③通勤中事故を起こしてしまったらどうしようという精神的負担.
④駐車場代が結構かかる.しかも毎日100円玉500円玉または千円札でそれに備えなければならない.(駐車券入れた直後に財布の中が万札だけ,というのはアウト.しかもそういう事態はお迎えギリギリに起こる.)

ちなみに,電車は,池袋までの行き方が,
(1)東上線
(2)副都心線
(3)有楽町線
があり,(1)と(2)は快速(急行,準急)があります.

池袋まではいろいろ試してみました.
丸ノ内線は,とりあえずどう行っても厳しいです.
防衛策は,真ん中付近の車両に乗る,ってことくらいです.

保育園,9時15分くらいまでに登園して下さい,と言われて(区の書類には9時半までとある) がんばってみましたが,駅から徒歩の時間も鑑み9時くらいに目的地に着こうとするとどうしてもかなりの満員電車です.
9時15分から9時30分くらいに着けばいいということであれば,少し気が楽なのですが...

以下気づいたのことです.
【電車編】
●東上線の準急や急行は,混み過ぎで,15分間2歳児を連れて乗るのは至難.
●かといって,和光市駅始発の副都心線は,池袋終点なわけではないので,最初は空いていても小竹向原くらいからどん乗ってきて,池袋で降りるときには大変なことになる(だっこしている余裕はなく,ムスメの両脇をかかえて降りる感じ.多分有楽町線も同じかな).
●副都心線の始発に和光市で乗ったときに,座っていたお兄さんが「座りますか?」と席をゆずってくれそうになったが,余裕こいて「大丈夫です♪」と答えてしまった.あとで,ああ,やっぱり譲ってもらえばよかったと.
●安全なのは,東上線で成増まで準急か各駅で行って,成増からの各駅に乗る事.ただしこれは時間がかなりかかることを覚悟.(もしかしたら,成増でコインパークに車を停めるのがいいのかもしれない)
●荷物の多い月金は,ほんと厳しい.デイパックを背負うのがいいかも.
(そういうお父さんに電車でお会いした)

 【車編】
●保育園の一番近くにあるコインパーキング,空いているとは限らない.
●しかもそこは一方通行に面しているので注意.
●商店街の方にパーキングロットがあるので全く停められないというわけではない.
●でもとにかく事故が怖い.
●しかも車線変更を誤り焦ると(特に帰路は)精神的によろしくない.

ええと,来週からどうしましょう.
いっそ自宅でベビーシッターさんにみていてもらったほうが,母子とも体力的精神的負担は少ないとは思います.はい,経済的負担は大きくなりますが.

まぁ,上の子が1学期の終業式まで今の小学校に通うことができて,文京区への引っ越しが終わるまで,期間限定であるというのが救いです.毎日冒険気分で乗り切ればいいのでしょうか.それでも同じ轍をふまないように,改善,改善していきたいものです.

最後に,ぐっときた話を.

金曜日,なかなか仕事が切り上げられず,走って保育園に向かい,18時15分ぎりっぎりでお迎えに間に合った.雨の中,シーツやタオルケットなど普段よりも多い荷物と傘をかかえ,郵便物を投函したかったので寄り道しながら駅に到着.本郷三丁目の駅前でも人ごみのせいで一回はぐれて転んで娘大泣き.上の子の学童のお迎えもあるので気が急いたが,お友達のおうちにいると友達のママからメールで安心した.

丸の内線がちょうど来たので乗り込んだら思いのほか混んでいた.
荷物が多くて難儀していたら,たいへんはっきりとした大きな声で,
「ここに座って下さい!」

私がいた出入り口付近から数歩離れたところからその声はしていて,人の陰になってすぐには見えなかったけれど,私よりも少し若いくらいの男性だった.
彼は立ち上がって私たちに席に座るよう促してくれた.
その動作だけでも彼は後ろの人を押してしまうくらいの混み具合だった.
「ご親切に,有り難うございます」

なんとかようやくお礼の言葉を発して,娘を膝に乗せ,座った.
このところ大変タフな毎日を過ごしていたが,ずっと涙は堪えていた.
7年半お世話になった職場を離れるときも,上の子もお世話になったとても大好きな保育園にさよならするときも.

でもこのときばかりは本当に涙があふれそうになった.
その人は次の駅で降りて行き,私が少し震える声で絞り出すように改めてお礼を言うと,笑顔で応えてくれた.

次は東上線,各駅停車でもかなりの混みよう.
時間はかかったが何とか最寄り駅に到着.
19時半をまわっていた.
上の子が学童に残っていたら,絶対に間に合わない時間だ.
車で上の子が寄っているお友達の家に向かった.
さて今日はこんなに疲れ果てているけれど何を作って子供たちと食べようか,と思いめぐらしながら.

お友達の家に到着したら,
「もう〇〇ちゃんお風呂一緒に入ってカレー食べてるよ,ママたちも一緒に夕食食べて行きなよ?」

このときも,本当に涙が出そうになった.
この日のカレー,マカロニとキャベツと魚肉ソーセージのサラダの味,私は一生忘れないでいたい.娘が残した分も全部,有り難く,きれいにいただいた.

私はこれらのことに,どうやって恩返しをしたらいいのか.いろんなことを考えた.
私が今やらせていただいている仕事を,与えられたチャンスを,降りかかってくるさまざまな試練を,一つ一つを新たなチャレンジ,あるいは冒険と思って乗り越えていくこと.
私が困っていたときに手を差し伸べてくれた人にお返しするだけでなく,誰か困っている人がいたら,自分がしてもらったように手を差し伸べること.

シンプルなことからとりあえず.
まずはそこから.