2012年2月10日金曜日

研究員会議総会 大栗先生講演

今日は研究員会議総会でした.

去年の川口先生の特別講演から,あっっっっという間の1年でした.
でもそう思うと,自分が幹事をやっていた頃には,現在小一の長男が,2歳だった頃(=下の子が現在2歳)なのです.時が経つのは早いものです.

今年の特別講演は大栗博司先生でした.
私が尊敬するBSIの宮脇先生の高校の同級生でいらっしゃることを,大栗先生のブログで知りました.ちなみに幹事をやっていた時に同期だったYさんも,同じ高校の出身(1年後輩)だったそうです.大都市の御三家と言われるような学校出身でなく,地方の公立高校からこのような方々が輩出されていることを思うと,少しばかり嬉しくなる私です.

講演は,超弦理論に関するものでした.私には全くの,それこそ分野外のさらに外の話題であり,私は本当に素人同然で,参加しようかどうか迷うくらいだったのですが,これが本当に面白かった.これまでどういった経緯で物理学の研究が進んできたのか,どういったことが解けないでいるのか,という問題提起や,何がどういうことになぞらえることができて,という比喩表現が,大変絶妙に表現され組み立てられていて,何となくわかったような気にさせる,少なくとも,全くの分野外のオーディエンスにも,ああ,面白い!聞いていて楽しい!という気持ちを起こさせる,本当に素晴らしい講演でした.うっかりこんな講演を学部1年とかの時に聞いていたら,ちゃんと数学と物理を勉強し直して,そちらの方面に進もう,なんて考えてしまったかもしれません.

つかみも伏線も,一つの映画を見ているかのように,飽きさせることなく,聴衆に畳み掛けてくるような構成でした.こういったtalkができること自体がプロフェッショナル,と思いました.もちろん,研究がものすごくできるけれどもこういったtalkが苦手,という研究者がいるのは経験上確かです.しかし,アメリカの教育の現場では,こういったtalkでごく普通に若い人材が育てられているのだと思うと,なぜだか嘆息が出てしまいます.自分がそういった教育を受けた気がしないということと,自分がこれからそういった教育を提供できるかどうか自信がないということに起因します.しかし,未来は変えることができるかもしれません.

今年も,子連れで懇親会に参加させてもらいました.記念写真の時には,主賓の大栗先生と河合理事の間に上の子が入るという,全くもって恐れ多い配置で撮影していただきました.うちの子は,もし万が一科学技術の道に進んだとしたら,吃驚仰天,あら大変,と思って欲しいところです.本人は今のところ,サッカー選手か,レストランのシェフか,将棋の棋士になるつもりでいるらしいです.(あ...,そう言えば,去年川口先生にお会いした時にはJAXAのひとになる,って言っていましたね...)

去年の川口先生の講演でも,涙が出そうになりましたが,今年も,以下のスライドを見た時に,とてもemotionalになりました.
「基礎研究はきっと役に立つ」
「研究者自身の研ぎすまされた精神が何よりのコンパスだ」
「(だから)研究を真剣に楽しもう」
こうやってタイプアウトしていても,涙が出そうです.

2012年2月7日火曜日

昨年の目標と今年の目標

ええと,もう2月になっちゃいましたが.
昨年の目標を見直して,今年の目標を立てましょう.
しかし,今年は本当に本当に激動の1年になりそうです.
しかも未来に希望が持てない話題が多く聞こえてくるのですが,前向きに行きましょう.
任期制だった頃の緊張感を取り戻せば,なんてことはないはず.
とにかく自分が研究を(できればこれまでやってきたものを継続して,できなくてもいずれできるかもしれないという希望を持って)続けさせてくれるならば,私自身は何の不満もないのです.だから私はこれまでこうして生きてきた,とも言えるのです.

昨年の目標の見直し:

1月  ○研究グループ内ミーティング
2月  △自著論文再投稿,○研究室セミナー,○スクリーニング
3月  ○スクリーニング,国内学会(→震災のため中止)
4月  △次の自著論文のFigを完成させる
5月  ×JSTのグラントに出してみる?
6月  △次の自著論文のテキスト完成させる
7月  ▲変異体の遺伝子マッピング進める
8月  ○(追加)異分野交流の夕べプレゼン
    ▲→△次の自著論文投稿,▲→△変異体の遺伝子マッピング進める
9月  ○国内学会
10月 ○科研費申請,公募1件
11月 ○電子顕微鏡ワークショップ
12月 △次の次の自著論文Figを完成させる

変異体の遺伝子決定に向けて,現在鋭意進めております.あとは確認作業だけ,かもしれません.
11月の公募の1件は,どうもダメだったらしい,という感触です.
夫にも,上司にも,通ったら断れないよ,と言われたところで落ちてしまいました.このごろの生物系のポスト競争がとても厳しいことを思い知らされました.
とは言え,研究を細々とでも続けて行ける状況を確保するためには,もしくは自分が主体的に研究を進めて行ける立場になることを標榜するには,こんなことではめげていられないのです.

ということで,

今年の目標:

1月  ○研究グループ内ミーティング
2月  今年度自著論文第1稿,遺伝子確定のための準備,次の変異体の準備
3月  スクリーニングのセカンドチェック,国内学会
4月  今年度#2自著論文のFigを完成させる
5月  JSTのグラントに出してみる 今年度自著論文#1投稿
6月  今年度#2自著論文のテキスト完成させる
7月  次の変異体の遺伝子マッピング進める
8月  就職活動,息子夏休みに合わせて出張
9月  国内学会
10月 科研費申請(今年落ちていたらだけど)
11月 電子顕微鏡ワークショップ参加
12月 就職活動,今年度#2自著論文何とか形に

なんだか,勢いで書いてしまった感もありますが,まぁこういうものは,思い切りのいい状態で書いてしまった方がいいと思われるので.