2010年5月23日日曜日

理論生物学にアプローチしてみよう

高校の数学教師だった父の影響もあり,私は数学に対する憧れがあります.
高校から大学にかけて,苦手科目になってしまいましたが,(苦笑)
数学的な裏付けのある美しさには今になっても魅了されます.

ポスドク時代,遺伝学のラボへ移籍した直後,腕ならしにgenotypingをしました.
予想された通りの比でphenotypeが割れると,
「ああ,遺伝学って美しい」
と思ったものです.

このごろ再び,理論や数学へ接近するチャンスが増えてきました.

【一つ目:CSRPコロキウム】

一つは先月からはじまった,CSRPコロキウム理論生物学シリーズ

心底わくわくしました.
前半は実験の林先生のお話,後半は理論の本多先生のお話でした.
細胞の集まりを多面体の集合として捉え,刻々と変化する細胞の振る舞いを,頂点(の集合)がどのように移行していくかで記述しシミュレーションできる,というのは,軽い衝撃を憶えました.
ああ,言われてみればそうだ,そうやって抽象化できることなのだ,と.

発表の冒頭で,ある高名な先生の言として紹介された,
「ダーウィンやメンデルは,理論生物学者と言って良いかもしれない」
というフレーズが大変印象に残りました.
ああなるほど.
生き物の中に単純な法則を見いだす,そしてその法則に則って予測する,そのプロセスは理論生物学とかなり重なります.

【二つ目:ASIチュートリアル道場】

この企画も今年はじまったものです.
先週2回目は生体高分子のモデリングという内容でした.

計算でここまで予想できるのか,とボーゼンとしました.

【三つ目:Physical Biology of the Cell

輪読会をやりませんか,との呼びかけがありました.
おもしろそうだなぁ,でも講義もあるしなぁ,逡巡していました.
が,不思議とその発起人の方にキャンパスで2日続けて偶然お会いしました.
2回目にお会いしたときに,じゃぁ,ということで先方のラボに寄って教科書を見せてもらいました.
うーん,ウェットな実験屋の自分が担当できるところはありそうだなぁ,という感触.
しかも好印象だったのが,ユーザーフレンドリーな作りであること.
図も多く,Molecular Biology of the Cellと同じものも多くありました.

これは思い切って参加してみようかしら,と思うに至りました.
とりあえず本は買ってみよう,と今日アマゾンに注文しました.

結構思い切ったチャレンジです.40の手習いです.(笑)

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