カタイタイトルですが,中身はなるべく軟らかくいきます.
わたくし,なぜか,
うちの研究所の男女共同参画推進委員をやらせていただいております.
昨日はその会議があったので書き留めておこうと思います.
【委員になったいきさつ】
あれは2年ちょっと前,
アメリカからコドモと2人で研究所に戻り,
半年ほどが経過した頃でした.
最初の冬を越したコドモは1才になったばかり,
夫も海外から帰国して夫と3人の新生活を始めようとしていました.
勝間さんの本「インディで行こう!」をsuikyoさんに教えてもらい,
読んだ頃でもあります.
私の着任&復帰時に随分お世話になった人事の方に,
「一緒にランチしませんか?」と誘われ,ほいほいと行ったら,
参画担当のTさんも一緒でした.
それで,
「ちょっと会議で発言してみませんかー」
と打診されたのです.
私はうちの研究所に着任するとき,また産後復帰時に
随分と自由にやらせていただいてしまったので
(これに関してはまたいつか改めて...)
その埋め合わせになれば,と
気軽な気持ちで引き受けてしまいました.
第一回目の会議に行ってビックリ.
えええ!
普段おお目にかかる機会がないような研究所事務トップの方がたがずらり...
しまったぁー!わたし,場違い!
もちろん皆さんスーツです.
もっとちゃんとした格好してくるんだったかしら...
【会議】
しかし,会議が重ねられるにつれ,
私は,自分が全然場違いじゃないことに気づきました.
子育て支援,女性研究者の比率アップのために何をすべきか,
意識啓発,等々,様々な議論がなされました.
産前・産後,子育て中,直面するいろいろな出来事は
本当にたくさんあるんですが,
体験した人でないとなかなかその実情がわからない,ことも多いわけで.
で,委員の約半分は,事務系の部長クラスまたはそれ以上の男性です.
「出産,子育てと研究の両立,そりゃぁ大変だろうなぁ,」
と頭で想像することはできても,
これまで子育てに積極的なコミットをした経験のないかたがたは,
ともすれば別の星の出来事なわけで(言いすぎ?失礼!)
現場の生の声をこの会議の場で伝える,のが
私の重要任務なのだ,と思い至りました.
なかなか,自分よりも一回りも二回りも上の,しかも男性陣が大半の
会議の場で発言するのは勇気がいることでした.
アメリカから帰ってきてまだあまり時間が経ってないという勢いも手伝ってか,
できるだけ積極的に発言させていただくようにしました.
これは今ではぐっとポジティブに捉えることができるようになって,
良いトレーニングになったと思っています.
Tさん(私と同年代の女性,子育て経験あり)の見事なコーディネートと,
委員長の強いリーダーシップで
この2年間,少しずつかもしれませんが着実に,
制度改革,意識啓発,の取り組みが進んできました.
さきほどもちらりと書きましたが,委員は大半が男性,しかもかなりシニア.
子育てと仕事の両立に奮闘している女性からしてみれば,
はるか遠ーくの方にいらっしゃるかたがたばかりでした.
そのメンバー構成に疑問を持ったこともないではありませんでしたが,
そもそもほとんどいないんですもの,事務系で課長以上の女性...
【そして昨日】
男女共同参画推進委員会も今年で3年目.
今日は今年度第一回目でした.
会場に向かう途中で,私が行くのと逆方向に行く委員の部長とばったりお会いし,
会場が変更になったことを知りました.
「なんで変更になったんですかね」
「ほら,今日から,事業所のかたがたも参加するんでしょ.
だから,広いとこじゃないといけないんだよ,きっと」
ああ,しまったー...!またやってしまった...
もっとちゃんとした格好してくるんだった...
(今日の私のいでたち,ハワイの学会で買った学会アロハ,チノパンにサンダル)
はい,今日から会議のメンバーほぼ倍増です.
でも,カッコは浮いてるけど,自分は場違いじゃないぞ,とばかりに
ちゃんと発言して来ました...
【男女共同参画とは】
どういうアクションを起こせば,男女共同参画が実現されるのか.
正直言って,私の中でもまだかっちりしたイメージが固まっていません.
でも,この2年,委員をやらせていただいて,私が個人的に思うのは,
○子育て支援は女性だけでなく男性にも
○意識啓発は男性だけでなくて女性にも
という二つのポイントです.
これは,
子育てを女性まかせにしない,
組織の意思決定部分を男性まかせにしない,
と言い換えることもできます.
短期的にはつい,
子育て支援→女性へ
意識啓発→男性へ
という方向に行きがちですが,
本当の意味での男女共同参画社会を実現するためには,
今までお互いがおろそかにしてきちゃったかも,という部分に
目を向けてみることも重要ではないかと.
最後に,担当のTさん,委員長をはじめ委員のかたがた,
特に,
問題に直面している当事者とは遠い立場にいるにもかかわらず,
真剣に,本気で議論し,取り組んで下さった男性委員のかたがたには
(これは良く考えてみるとなかなかできないことですよ,)
に心からの敬意を表したいと思います.
※託児所ママ仲間でもあった委員のKさん,秋に京都へ移られると聞きました.
寂しくなります...
3 件のコメント:
すごく勉強になりました。
大学や、独行のほうが進んでいるんですかね。私の会社は、組合レベルの活動にとどまり、本格的に「男女共同参画」に取り組んでいるとは言い難いです。
「子育てを女性まかせにしない,
組織の意思決定部分を男性まかせにしない」
の部分は、なるほどーって思いました。
それぞれの目線で見えてくる問題が違うので、
お偉いさんは、「女性が管理職を目指さない」というのが問題に感じてたり、
現場の女性は、「今の長時間社会で、管理職としてやっていけない」と感じてたり、
するんでしょうね。
男性が・・・女性が・・・ではなく、ってところが、「男女共同参画」の目指すところなんでしょうか。
コメント,ありがとうございます!
委員をやっていて,
「ああああー大変だぁー,私が本来の仕事(研究)に参画できてなくないかー?」
と溜め息をつくことも実はたくさんありましたが,最近になって,「新しく導入されたこれこれの制度がとても良かった」「有り難い」という声を聞くようになって嬉しく思います.
今年は講演会を企画中とか.
勝間さんを呼べないかと画策しています.
どうなりますことやら.
良い記事ですね!
ちえこままさんがそうした会議で積極的に発言して下さるのはとても心強いです。
「子育てを女性まかせにしない,
組織の意思決定部分を男性まかせにしない」
これ、本当に大事ですよね。
男性が…女性が…ではなくて、diversityという視点を持つことが共同参画には大切なのではないかと思っています。
ところで、講演会を企画しているというお話、私にもTさんからメールが来ました!
できたら聴きにいきたいなぁ、と思ってます。
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