2008年7月27日日曜日

産総研つくばセンター一般公開

昨日は,思い立って,産総研の一般公開に行ってきました.

目的は,

○今まで,研究所の一般公開というと,自分のところだけしか体験したことがない
→他ではどんなことをどんな工夫でやっているのか?という興味
→自分のところの研究所の一般公開は,楽しそうなイベントがあったとしても,仕事があるので満喫できるとは思えない.単純にお客として楽しんでみたい!
○仙台に続き,つくばの様子も知りたい
→将来,今のところから転出する,あるいはダンナの次のポストがどこになるか,なんてことを考える際の判断材料にしたい.多分話が出てからだと浮き足立ってしまいちゃんとした判断ができなくなる可能性もあるかも.

以下,時系列に沿って覚書です.

【到着まで】
○カーナビが古いので,そもそも「産総研」で検索しても出てこず.
○なんとかそれらしきものを見つける
○和光市から出発!高速経由で到着予定は一時間弱.
○ほぼ予定通り,と思った矢先,二つ手前の出口で高速を出てしまった!
○結局現地には一時間強で到着
○ 道のりを半分ほど行ったところ(流山を過ぎたあたりかな)で,車内に突然サイレンが鳴り響く.えっ!覆面パトにでもつかまったか!?と思ったところ,後ろ に積んでいたコドモのバイクのボタンが別の荷物で押された,という誤作動によるもの.料金所で一時停止するまで,パトカーに追尾されているかのようなスリ リングなドライブ.

【駐車〜受付】
○とても広い!すごいなー.
○駐車場まで,10人近くの方が丁寧に誘導してくれる.守衛さんのような方もいれば,「案内」の腕章をつけた研究者風の方まで.暑い中,有り難いことと思います.
○受付へ.ネームプレートと,詳細情報の載ったリーフレット,それが「産総研」のロゴの入ったA4サイズのトートバッグに入ってる.
○ネームプレートを帰りに返却すると,記念品(AIST知恵の輪:AISTは産総研英語の略称,私が昔ポスドクをしていたNAISTを思い出す)

【ソリトンキャッチャー2008】
一番駐車場に近かったA会場のところで,子供たちの歓声が聞こえる,と思ったら,ほぼ水遊びのテンションのちびっこ多数.10メートルの長大水路でソリトン波の実験ができる,という趣向らしい.
不思議な波,ソリトン波.
別名孤立波.
「非線形方程式」で表現されるパルス波.
案内係の方に,
「両側からソリトン波を発生させて,ぶつけるとどうなると思いますか?」
この結果,おもしろかったので3択問題にしてみました.
○ぶつかったところで波の高さが倍になる.
○ぶつかったところで打ち消されて消える.
○倍にもならず消えもせず互いに通過する
さて,子供たちは,そんな実験をさせてくれそうにない勢いで,水と戯れ中.
うちの子も,その輪に加わった時点で覚悟してましたが,あっという間にずぶぬれ.

着替えて,次の会場へ.

【ヒューマノイド・ロボット】
↓リーフレットからの情報抜粋
「立つ・歩く・踊る!産総研のヒューマノイドテクノロジー!」
「ヒューマノイド・ロボットは,人間の姿をした二本足で歩くロボットです.
 産総研のロボット技術が可能にした,HRP-2の複雑でなめらかな動きを,ぜひご覧ください」
会場にたどり着くとすぐにデモンストレーション開始.
100人近くのお客さんががステージ内のHRP-2に注目する中,司会のお姉さんのナビゲーションで(この方は研究所の方?ではなさそう,プロっぽい),まずは,どんな基本動作ができるか披露.
とてもなめらか.ドアノブを回す動きとか.器用に動くのですねぇ.
次は準備体操.ラジオ体操のこんな動きをしてました.
http://www.jp-life.japanpost.jp/health/radio/hlt_rdo_dai1.html#infoBlock5
その途端,会場の赤ちゃんが泣き出しちゃいました.あはは.びっくりしたんだね.
「次は踊ります,会津磐梯山です,どうぞ〜」
えっ!踊るってそんな.
と思いきや,もんのすんごい巧さで踊ります.
「今の踊りは女踊り,次は男踊りです」
えっ!そんな踊り分けられるなんて.
と思いきや,確かに,全然振り付けやメリハリのつけ方が違った踊りっぷりを披露.
どうやら,名人の踊りをモーションキャプチャーで入力して再現させているのだそう.
次は,自力で寝転がり,その後自力で立ち上がる動作.
最後に,片足立ちで30秒.会場のみんなと競争だ!
その途中でお姉さんにちょっと指でつつかれても,持ちこたえるのですねー.
個人的には,踊りがものすごい衝撃的でしたが,
「自分で寝転がり」「自分で立ち上がる」「片足立ち」という動作も結構難易度が高いのかも.

【電子顕微鏡で目に見えない微生物の形を見てみよう】
コドモがちょっと飽きてきた...
不安を抱えながらもママはどうしても行ってみたかったので.
実際に,蛍光板に出た像を,見せてくれましたよ!
材料はインフルエンザウイルス.おお.はじめて見た!
次はスライドで,さまざまな試料の写真を見せてもらいました.
うーん,美しい...すごいなー...
(↑ここは玄人コメントとしてみて下さい)
パワポ全盛の今日この頃,スライドで電顕写真を久しぶりに見ました.
電顕てやっぱスライドで見るのが一番キレイ.
私も電顕やってるんです,と言うと,専門家用の説明に変えて下さいました.
「今日,”急速凍結置換”ていう説明をお客さんにしたのははじめてです(笑)」
とのこと.^_^
で,話が弾んできたら,どうやら,去年までうちのラボにいた,Aさんと同じ研究室出身の方,ということが判明.おおお,意外と狭いなぁ生物電顕業界...Aさんの師匠の先生,有名な先生です.あ,あとは,Aさんが顔が広いのか...
コドモがこの辺で飽きまくり,ご迷惑をおかけしました...

【高磁場NMRで測れること】
クイズにある程度以上正解すると,記念品のボールペンがもらえる,という企画.
あー,この「しくみ」はいいなぁ.
パネルをよく見れば,正解は必ず書いてある.
クイズに正解しなくちゃ,ということで,パネルを熱心に見る.
キーワードが(短期記憶であったとしても)一度は頭に取り込まれる.
その結果,あまり強い興味や知識を持っていないかもしれない来場者に,
「興味を抱かせ」なおかつ「taking home messageを残す」
うーん,見習いたいですね.
私の結果:全問正解して当たりまえー,と思ったら,2問もケアレスミスを...orz
それでも6問以上だったので,ボールペンいただきました.

【ちょっと休憩】
売店や食堂もオープンしていて,あちこちにちびっこや家族連れが.
池の周りでコドモと一緒に魚を見ていたら,案内の方がじっとこちらに注意を払ってくれていました.
(コドモが池に落ちるんじゃないか,って思っていたのかも...)
全体的に,案内で立って下さっている方の人数がとても多かったです.研究所が広いので,大変助かりますが,こんなに人を動員できるってすごい.
屋台がいくつか出ていました.
コドモ,吸い寄せられるように
「肉まんかって〜.」
その後,
「ソーセージスティックかって〜.」
一口たべたところで,目の前に小学生高学年くらいの女の子2人がたこ焼きを食べはじめ,あっという間にそちらにも目移り.
「たこやきかって〜.」
おいおい,なんて移り気&わかりやすい行動パターンなんだキミは.
たこ焼きはタネがちょうど切れたところで時間がかかるので断念.
泣く子をなだめつつ再びA会場へ.

【A会場】
こちらは,かなりたくさんのブースができていて,体験コーナーも充実.
万華鏡とかが楽しかったです.
あと,実体顕微鏡でカエルの幼生を観察していて,お話していたら,
「もしかして,○○さん(←私のナマエ)?」
えええっ,なんで?
どうやら,大学時代,同じ学科の同学年だったようで.
そう言えば,見たことあるような...
私は植物学教室,その方は動物学教室なんですが.
「動植人セミナー」
(動物学植物学人類学教室で合同で三崎の臨海実験所に泊まり込みで行くイベント)
などで顔を憶えていて下さったようです.
私随分太ってしまって面変わりしてしまいましたが...
よくぞ見分けて下さいましたね,と言う感じでうれしいです.

【記念品交換】
受付のときにもらった首から下げるパスケースのようなものと交換で,
記念品がもらえました.
これで入場人数と,全員が外に出たかを把握するのかな.

【ソリトンキャッチャーのこたえ】
○倍にもならず消えもせずなにごともなかったかのように互いに通過していく,
のが正解,だそうです.

【全体を通しての感想】
はじめて訪問しましたが,楽しかったです.
うちの研究所での一般公開,と比べるのはなかなか難しいのですが...
(私自身がじぶんとこの一般公開をちゃんと回ったことがない)
○子供向けイベントが多かった
○出展数は意外と絞られていた?かも(研究所の規模から比べないといけないけれど,敷地面積と建物の規模からだいたいの研究者人数を想像して)
○体験型が充実していた
○屋台が出ていたのが新鮮

【つくばの感想】
○研究者にとってたいそう暮らしやすそう.私は性に合うだろうと思います.
○ちびっこが多いように感じるということは,子供を育てやすい環境なんだろうな,と想像しました.
○もし夫だけつくば,私が和光,なんてことになったら,中間の流山あたりに住むのかな,と思いました(実際私の友人でそういう選択をされている方がいます).

これからも,どこかで一般公開があったらちょくちょく行ってみようと思います!

8 件のコメント:

myu さんのコメント...

面白いですね。
私も行ってみたい!
都会だと研究所等がたくさんあって
うらやましいです。

ちえこまま さんのコメント...

myuさん,コメント有り難うございました!

一般公開,楽しかったです.
自分とこでやる一般公開も,お客さんに楽しんで欲しいと改めて思いました.
今回も,直前になって知りましたが,案外,大学などもひっそりとやっているのかもしれません.
つくばエリア,25日は環境研も一般公開をやっていたようです.一般公開デーだ...

匿名 さんのコメント...

文系のド素人ですが、会社で新事業のタネを調べている関係で、
産総研の一般公開に行ってきました。

子供向けイベントが多い、というのが率直な感想で、
それもいいのですが、一般人向けの展示ももう少し充実すれば、とも
思いました。

あと、産総研、環境研、筑波農林研究団地、いずれも7月26日に開催しているのは、
主催者側は便宜を図られたつもりでしょうが、周遊する側にとっては
消化不良で見切れない、という感じがします。
分散開催できなかったのでしょうか?

で、来場者数は環境研だけでも5,000名を超えていたようですが
(警備員が5,000名突破、と交信していました)、その中で
自分のブログ等で一般公開の感想を書いている人が
あまりにも少ないようです。
ブログの普及率を考えても100名は書いていてもおかしくないのですが、
せっかくの体験を書かないのは、勿体無いですね。

とりあえず素人なりの感想を
http://d.hatena.ne.jp/itarumurayama/20080728
http://6506.teacup.com/0120320354/bbs

に書きましたのでよろしければご覧ください。

tomoko さんのコメント...

ちえこママさん。

谷田部インターで降りちゃったんですね!

産総研の公開、いつか、私も行ってみようと思います。

春の公開は、理研、産総研、自動車研、JAXA(つづりあってるかな?)、防災研、農水、など、結構日程が重なっちゃうんですよね。

保育園ママさんに防災研の方がいて、サバ飯(空き缶などで炊くサバイバル飯)とか作れて面白い、とおっしゃってました。

今度、お越しの際は、ぜひ、お会いしたいです!

tomoko さんのコメント...

↑ 智子=ママ研究者です。

suikyo さんのコメント...

とっても楽しそうですね!
私もあんまりゆっくり言ったこと無いかもしれません。
ちえこままさんのところも、来年はゆっくりわまってみようかなぁ。

ちなみに明後日は大学の一般公開で、基本は高校生向けで事前受付が必要なのですが、理学部だけは誰でもいつでもウェルカムな態勢になっています。

sunada さんのコメント...

うちの近くだと放医研の一般公開が春にあるのですが
毎年理研とかぶってるんですよね。。。
一般公開面白いですよねー

ちえこまま さんのコメント...

皆さま,コメント,有り難うございました!
> スルッとkantoさん,
産総研一般公開のレポート,拝見しました.たくさん見て回られたのですね!量にとにかく感服です.その上環境研にもいらっしゃったとは.すごい.
> ママ研究者さん,
サバ飯,かなーり惹かれます.つくばの理研にも実は行ったコトないので,来年春の公開デーはつくばに行こうと思っています!お会いしたいですねー!
> suikyoさん,
そうなんですよ,うちの研究所も見どころ結構たくさんあると思います.来年は自分のシフトが終わったら子供をミニSLに乗せたいです!明後日一般公開って,平日ですね.高校生向けだからかな.
> sunadaさん
放医研,あるある!あのあたりに(浪人時代に住んでたので).

一般公開,これまでは自分のところで,「何をやったらいいんだろう」て煮詰まっていましたが,他の研究所の一般公開をお客さん目線で見てみれば,いろいろと解決のタネがあるんだなぁ,と思いました.