2008年6月15日日曜日

読書メモ -二重らせん第三の男,東京タワー,3月のライオン

読書メモです.

読んでいるものをほとんど全てupしているので,厳選,というわけではありませんが,
今回のはどれもおもしろかったです.

【二重らせん第三の男】
モーリス・ウィルキンス
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_ss_?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Daps&field-keywords=%93%F1%8Fd%82%E7%82%B9%82%F1%91%E6%8EO%82%CC%92j&x=0&y=0

以前のエントリ「ダークレディーと呼ばれて」でも触れていました.
これは,ウィルキンスの自伝です.
takanoさんのコメントで,「ダークレディーと呼ばれて」(や「二重らせん」)だけを読むのでは,物事を偏った側面からしか見ないことになるので,こちらも読むべき,と勧められていました.
なかなか読み進まず,昨日やっと読了しました.

「ダークレディ」と同様,中盤まではその人の人となりや半生がつづられているので,
今一つさくさく読めなかったのですが,
中盤以降は,ざっと読めて,ややあっけない幕切れ,でした.

私が印象に残ったのは...,
○ロザリンドを偶像化し,ウィルキンス=女性の敵,みたいな運動もあったらしいですが,まぁこれを読むと,ウィルキンス一人が悪者,というのはちょっとひどい.いろいろと不幸なボタンの掛け違えが重なって,このような事態に陥ってしまったのだなぁ,ということがわかります.ロザリンドにも,ランダルにも,そしてワトソンにも,多かれ少なかれ非があった,ということがわかります.takanoさんのコメントに納得.私としては,ランダルがもうちょっとうまく采配ふるっていれば,ここまでこじれなかったのでは?と思う次第.
○意外と若い頃の挫折が多かった人なのだなあ,と.ケンブリッジに職を得られなかったこと,最初の結婚の失敗,などなど.元気溌剌,天真爛漫,という明るさからはちょっと遠いですね.この経歴が彼の性格に陰を落としたのでしょうか,ロザリンドやランダルと上手くコミュニケーションが取れなかったのは,何となく頷けてしまう.
○しかしワトソンと言う人は...(以下推して知るべし)

私がgetしたmessageは...

コミュニケーションは,大事だ...
ポジティブな,建設的なやりとりには労を惜しむべきでない.
そして誤解を受けないようにすること,ボタンの掛け違えがないか留意すること,
これもかなり重要かと...難しいですけどね.
少なくとも,
「顕微鏡の仕事に戻りなさい!」
と一喝する,ようなことは避けましょう...(詳しくは本文を)

ウィルキンスはこの本を上梓した翌年に亡くなっています.
長年沈黙を守り通した人だと言いますが,これが言ってみれば彼の遺書だったのかも.

【東京タワー】
リリー・フランキー
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_ss_gw?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Daps&field-keywords=%93%8C%8B%9E%83%5E%83%8F%81%5B&x=0&y=0
遅ればせながら,読みました.
ドラマを数回分,見たことがありましたが,書籍では今回がはじめて.

どうやら,私,たまに泣きたいようです.
そしてもう一つ気づいたことには.
「食堂かたつむり」→「ホームレス中学生」→「東京タワー」と,
来ています.
さぁ,この関連は何?

ドン!
それは,「母親」です.

去年の春から,私自身の母親の体調がすぐれない,というのをひきずっているのかもしれません.
10代後半から20代前半にかけて,母親とうまくいかない時代もありましたが,
最近は,普通に親に対して優しい気持ちになれるようになりました.
あと,自分が母親になったからかな,こういう本を読みたくなってしまうのは.

私がgetしたmessageは...

今年も夏から秋にかけて,頻繁に実家に帰ることにします.
ちょっと遠いけど,身軽に.

【3月のライオン】
http://www.amazon.co.jp/3%E6%9C%88%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3-1-%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%84%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E7%BE%BD%E6%B5%B7%E9%87%8E-%E3%83%81%E3%82%AB/dp/4592145119/ref=pd_bbs_sr_1?ie=UTF8&s=books&qid=1213536233&sr=8-1
マンガ,です.
(マンガづいてますね...)
それも将棋
作者はあの「ハチミツとクローバー」の羽海野チカ!
すごく大きくジャンルが変わってますよーーー!
でも,これ,かなりおもしろそうです.
あ,子育てや研究とは全然関係ありませんね.てへ.

ハチクロとの共通点を見出すのは難しいですね.
でもいくつかあるんだよ.
大切な人の死を背負いながら生きている人々.
人生をかけて将棋と取り組む姿は,美大生が芸術に打ち込む姿や
売れっ子設計士が我が身を省みないペースで仕事にのめりこむ姿と
重なるものがあるんだな.
羽海野チカは,ほのぼのとした,しかもギャグタッチ満載の中で,
重いテーマを掘り下げますね...

私が発信したいmessageは...

羽海野チカ,すごい.
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