2009年2月15日日曜日

沸騰都市 シンガポール

NHKスペシャル「沸騰都市」見ました。
このシリーズは全8回だそうですが、1回目のドバイ編の後はずっと見逃していたようです。
7回目の今回、シンガポール編を見るのが久しぶり。

ちょうど、「迫るアジアどうする日本の研究者 理系白書3」を読みかけていて、シンガポールの話題が出ていたので、食いついてみました。その両方で紹介されていたのがバイオポリス、そしてそこで働く日本人研究者、伊藤嘉明教授も。京都大を定年になる頃、研究室の室員10人、ラボごとバイオポリスに移籍したそうです。

シンガポールのバイオポリスの迅速なスタートアップは驚異的です。たった3年間で1800人超の一大研究拠点を作ってしまった。理系白書のテキストからもそのすごさが伝わってきましたが、映像で見るとこれまたすごい。圧倒されました。近代的なビル群。潤沢な予算。アジア一の動物飼育施設。

夫は去年シンガポールに出張していたので、いろいろとコメントしていました。
トラックの荷台に労働者を乗せて走っているけど黙認している、街のあちこちで大規模な工事が進行中、そうそう、こんな感じだったよ、とのこと。

私が特に注目したのが3つの立場。バイオポリスの研究者、投資家、肉体労働者。どれも外国人、ということだけが共通ですが、その待遇の違いは大変際立っています。

バイオポリスでの恵まれた研究環境で働く日本人研究者。「ここの環境は世界一良い」とも。しかしCell, Nature, Science級の業績が当然のように求められます。契約は3年。集中投資されているのは、癌、再生医療など将来的にお金に結びつく分野。人材をリクルートする担当者は「ノーベル賞は二の次、雇用、GDPを延ばすことが重要」。

シンガポールで1億円投資したらほぼ自動的に永住権が与えられるとのこと、既に1万人の外国人投資家がシンガポールに移住しているそうです。

一方、祖国の貧しい子供たちのために学校を建てたい、という夢を実現させるために、「どんな仕事でもやる」と言ってやってきた元教師の外国人労働者。仕事が見つからず、結局半年もたたないうちに母国に帰されてしまいます。

胸を衝かれるほどの格差。
よくもこれほどのコントラストのある対象を選んで描き出したものだと企画の鋭さに感服します。

ところで、もう一人の日本人研究者大里さんは、造血幹細胞のイメージングを行っていて、Natureを目指して仕事を進めています。残念ながら今回は通らなかったとのこと。
(でもそう言えば今週号のNatureに似たような話が載っていたような。。。別グループからでした。競争は熾烈ですね。)

すでにこちらのブログにさらに詳しい紹介があります。
シンガポールでの研究環境に興味がある方はぜひcheckを。

2 件のコメント:

suikyo さんのコメント...

まとめ、ありがとうございます!!
リンク先のブログも合わせて拝見しました。

シンガポールも気になる都市です。

ちえこまま さんのコメント...

suikyoさん、コメントありがとうございました!

もし、シンガポールが気になるならば、再放送の際はぜひお見逃しなく。